中学の担任だった先生から手紙が届いた。

今頃なんだろう?と思い封を開けると
そこには、すすけたわら半紙と一緒に
先生からの達筆な一言が書かれてあった。

『 前略 28年目の返却です。
  申し訳ない。感謝〃です。 』

恐る恐る古びたわら半紙を破かないように広げると

それは、十五歳の自分史、だった。

生まれてから十五歳になるまでの記録が綴られていた。

大切な思い出は?尊敬する人は?将来の自分は?
そんな先生の文字の脇に、中学生の私の文字があった。

当時の自分はこんなことを考えていたのかという驚きと
今でも変わらない夢や希望がそこにあり、とても懐かしかった。

私は、あのころ思い描いていたような大人になれたのかしら。

いや、あのころの自分の方が大人だったような気がする。

ふと友達に連絡をしてみたら、どうやら全員に送り返していたらしい。

当時同じ中学で教鞭を取っていた別の先生が
最近お亡くなりになったことをきっかけに
先生は身辺整理を始めたのだということだった。

今度みんなで温泉に行こう!
同級生からそんな声があがっているそうだ。
先生が元気でいる間に実現させたいものだなぁ。

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